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dance 3)パナソニック『スマート家電』とは dance
パナソニックの白物家電は、前年までエコナビの全家電展開をメインの訴求としていましたが、
液晶テレビ不振のなか、2012年中に新たにスマート家電なる商品提案を展開しました。
タイトルマーク 3)パナソニック『スマート家電』とは


スマート家電1 スマート家電2 スマート家電3

さて、このパナソニックの『スマート家電』は何ができるかと言うと、

スマートフォンに専用アプリ「panasonic Smart App」をダウンロードすることで、
対応した家電にスマートフォンをかざすだけで、便利な機能が使える。

とある。


プレスリリース当初の特長は

<1> 外出先からエアコンを遠隔操作し、動作状況の確認や操作が行える「どこでもリモコン」

<2> バランス計等にスマートフォンをかざすことで、測定データを吸い上げてグラフ化等を行ってくれる

<3> 「ダイエットメモ」レシピを登録したり、レンジにかざすだけで調理モードや調理時間を簡単に設定できる

<4> 洗濯機にかざすだけで、洗濯コースの自動設定ができたり洗剤のデータをクラウド経由で取得できる

<5> 冷蔵庫にかざすと、扉の開閉回数や消費電力等のエコ情報を取得できる

といったハズだった。


そのため2012年8月にセンセーショナルな登場を果たすハズだったのにもかかわらず、
一番上に書かれたもっとも重要な”やっぱ便利機能”の役割を果たすはずだったエアコン遠隔操作
「どこでもリモコン」機能に、2012年9月に行政からクレームが付き、一部機能削減となってしまった。
そのため出鼻を挫かれるように「どこでもリモコン」機能は、スマホからの「電源オフ」、
スマホで電気代などを確認できる「エコ情報」など中途半端なものになってしまったという。

行政からの指摘は、スマート アプリ機能から『運転オン』に至る可能性のある『どこでもリモコン』機能、
『myエアコン設定』機能を安全性の面から削除するというもの・・・これももっともな指摘だ。

要するに、このスマート家電というのは、色々高度で便利そうな付加機能は付いているものの、
重要な判り易い便利へのアプローチとしては、スマホからのエアコン遠隔操作が目玉であり
重要だったにも関わらず、そこが安全性に難・・・あまりにストレートな指摘でもある。

日経新聞 スマホでエアコン操作 パナソニック断念の不可思議 経産省、今年度中に規制緩和へ


このところ、白物家電に限らず暖房器具や自動車などのコンシューマー製品による
製品の重大事故や安全性に対しても世間の関心は高まっている。

数年前から製品リコールへの注目も高まっているし、通信機器と異なる点であるが、
本来白物家電では通常から製品事故や低故障率などの製品品質が購入ユーザーに対しても最も重要とされる。
製品の性質によるものであるが、ここがネットワーク白物家電実現への壁とも言える内容である。


<後日談>

2012年9月に遠隔操作機能が断念されたこの電安法による行政からの指摘であったが、
2013年1月には今後の規制緩和ということで行政のお許しが出た。

安全上の問題から家電の遠隔操作を原則禁じている電気用品安全法(電安法)の解釈を見直し、
今春に通達を改正するとのこと。このことにより電安法による壁は緩和されたことになるが、
実際上の遠隔操作に対するユーザー感と製品性質による壁はどうなのか注目だ。

Yahoo!ニュース 外出中にスマホで家電操作、経産省が規制緩和へ


 次の記事はこちら→( 4)『スマート家電』のつまづきとネットワーク白物家電実現への壁


タイトルマーク ネットワーク家電考察おしながき

ネットワーク家電考察目次 / 1)はじめに ネットワーク家電とは / 2)スマート家電の登場について

3)パナソニック『スマート家電』とは / 4)『スマート家電』のつまづきとネットワーク白物家電実現への壁

5)価格コムマガジン 今話題の「スマート家電」って何だ? より

6)「ネット家電」の走りと、「スマート家電」 / 7)白物家電とネットワーク家電 今後について

今回は家電情報マガジンWHITE筆者のまじめな考察をまとめて公開しています。

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